消費者から愛用者へ

市場は私たちを使い手としてだけを押しつけてきましたが、本当にそれでよいのでしょうか。作り手と使い手との良質な関係にこそ、ものづくりの価値が生まれるのではないか、そんな考えをまとめてみました。
江口晋太朗
2021.01.19
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みなさん、こんにちは。

この数年、老舗のレストランやなじみのあるお店が突然閉店したり、廃業の危機にあるという話が定期的に入るようになりました。店主の高齢化とともに後継者ができなかった、いつかは畳むかもと思っていたものが、新型コロナウイルスをきっかけに加速させたかもしれません。感染症という突然の出来事とともに、ひどいときで月商売上90%強減といった現実を突きつけられたことで、精神的にもつらい状況となったことで事業を継続することを断念した人も多くいたに違いありません。

そうした現状をどうにか打開しようと、クラウドファンディングなどで支援を募る姿も見受けられました。危機を通じて連帯を強め、関係性が生まれることもあると思います。しかし、本来であれば、日々の生活のなかで、いかにお店や作り手との関係を築いていくか。そうした平時のなかのあり方を見直すきっかけになったのではないでしょうか。

そうした関係性は、なにも飲食店だけに限るものではありません。時に、自身の日々の生活を豊かにしてくれる身近な道具との関係も同じものがいえます。身近な文化の積み重ねによって人が人としての文化的な営みがあるとしたら、私たちが日々の何気ない選択によって社会はちょっと変わるのかもしれません。そうした岐路にあるように私は感じます。

家に包丁はいくつありますか?

戦後の高度経済成長期における大量生産大量消費社会の到来において、いち早く作り手と使い手の関係性に着目し、その本来の姿を取り戻すべく、人の手から生まれる永く愛用でき生活を豊かにするものづくりを追求し、活動したデザイナーがいました。

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