ソーシャル・バンクという持続可能な社会のための投資 #25
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今回は、直近5号くらい配信していたシリーズ・プラットフォーム協同組合から少し話題を変えて、地域金融機関のこれからについて考えてみたいと思います。
3年ほど前に学芸出版社より『実践から学ぶ地方創生と地域金融』を上梓しました。この本では、いわゆる地方創生的な文脈における地域金融機関の役割にフォーカスし、金融機関という存在が、いかに地域課題に寄与できる存在なのかを明らかにした内容です。
書籍内の事例は新型コロナ流行前の内容のため、新型コロナを契機に地域の様子が変わっているところもありますが、地域金融機関としての存在意義や役割については薄れることはなく、時代の流れやこれまでの取り組みとして参照すべきものとして今でも読み応えがある内容です。
なお、書籍内容についての補足や地域×地域金融機関について、noteのマガジンで過去に投稿したものがまとまっていますのでこちらもぜひご覧ください。
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地域金融機関とはどんな存在か?
「地域金融機関」と呼ぶ場合、その中心は会員の相互扶助や地域の発展を第一に考える信用金庫、信用組合が主軸になります。地域に根ざした事業を営む個人事業主や小規模事業者に対して手厚く、地元の企業を支援する「地域活性を促す銀行」という役割としての地域金融機関です。
地域金融機関は、会員である地域の人達からお金を預かり、それらを原資として地元企業を中心とする個人事業主や事業者への融資や支援を積極的に行う金融機関です。
地域金融機関にお金を預けるということは、預けたお金が地元の商店や飲食店、個人商店を営む人たちの資金需要の支えとなることが見えやすいということでもあり、いわば「お金の見える化」を生み出しやすい金融機関といえるでしょう。
全国信用協同組合連合会のサイト(全国の信用組合の中央組織)によると、欧米などでは信用組合は一般的で、特にアメリカでは信用組合の数が全金融機関のほぼ半数を占めているとされています。
これまで、プラットフォーム協同組合の論考などでも触れていたように、信用金庫・信用組合はその誕生の経緯からしてまさしく協同組合組織であり、協同組合として今なお現代に残り地域に根差した活動を行っている組織です。そんな地域金融機関も、時代の流れとともに新たな変化が求められています。
「ソーシャル・バンク」という考え方
現在、政府や企業のあらゆる活動においてSDGsのような持続可能性のためのアプローチが求められてるように、それを支える金融機関側も持続可能性を推し進めるための事業をサポートする環境を構築することが求められています。
社会的なインパクトに焦点を当てた銀行や信用金庫・信用組合、それらに付随する金融・銀行・金融業務のことを「ソーシャル・バンク」「ソーシャル・バンキング」と呼び、世界的にも注目がされています。
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